「誤解」への対応
masaです。
「4つのアウト」の3つ目、「誤解」を説明させていただきます。
「誤解」とは「事実や言葉などを、知識や能力不足により正しい解に至ることが出来ず、誤って解釈してしまうこと」とあります。
つまり、ここでいう「誤解」とは、
お客様の情報不足により、あなたの会社や商品、そして情報に対して誤解している状態
であるということです。
では、「誤解」はどこから生まれるのでしょう?
①以前商品の購入を検討したことがあり、欠点を知っている。しかし最近その欠点が完全に改良されたことを知らないなどの「主観的な誤解」
②噂やネットでの評価など、他人からのフィードバックを基とするなどの「客観的な誤解」
つまり、実体験や直感を基にした「主観的な誤解」と第三者から伝え聞いた思い込みである「客観的な誤解」があるのです。
いずれもお客様の情報不足からなる「不実」なのです。
ここで注意しなければならないものとしては、①の「主観的な誤解」です。
②の「客観的な誤解」と比べると①の「主観的な誤解」の場合、お客様本人が実体験や直感が基になっているので、無下に誤解を解こうとするとかえって反感をかう可能性があります。
しかしながら、当たり前の話ですが、お客様の「誤解」を解かずして商談を先へ進めることはできません。
かといって「お客様、それは誤解です。こちらをご覧ください。」などと進めても、なんだか胡散臭い感じを受ける方もいらっしゃるでしょう。
お客様に「誤解」という言葉を伝えることは、お客様の考えを否定することにもなりかねません。
ですから、この言葉を使わないように「誤解」への対応をするためには、
①お客様の「誤解」を、疑問形にして言い直す
②「誤解」の内容を明らかにする
③明らかになった「誤解」を解く為、(証拠を提示して)答える
この3つが基本プロセスとなります。
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「誤解」を解く
早速「誤解」への対応のプロセスを追っていきましょう。
ここでもケーススタディーを使って説明致します。
ケーススタディー(誤解への対応)
あなたは精密機器部品の営業マンです。
お客様は新しく開発した装置に使うネジを検討しています。
あなたのプレゼンテーションを聞いたお客様はあなたの商品に大変興味を持っています。
あなたはあなたの会社の商品を採用してもらいたいと考えています。
お客様はあなたの会社で納入本数に対して割引を行っていることを知りません。
あなた:「以上お分かりいただけたように、弊社のネジは圧力にも強く、また、特殊製法によりネジが緩みません。さっそく明日にでも試験用に100本お届け致します。」
お客様:「お宅の商品が特許も取り大変素晴らしいのは理解しました。弊社としても理想のネジです。しかし、申しわけないが、このサイズのネジが1本300円というのは高すぎるんじゃないの?」
あなた:「とおっしゃいますと、1本300円という値段がもう少し安ければ良いとお考えなのですね?」①
お客様:「それに越したことはないでしょう。一つの装置に最低40本。月に100ユニット生産するとしたらネジだけで120万円のコストですよ!」②
あなた:「それなら良いニュースがございます。弊社では納入本数に対して割引がございます。御社の場合ですと4000本。この場合は15%の割引となります。つまり、1個あたり255円となります。」③
お客様:「えっ、そうなの?1本255円かぁ。現実味を帯びてきましたね。」
あなた:「差し支えなければ教えていただきたいのですが、1本あたりの予算はおいくらでお考えでしょうか?」
お客様:「まぁ、安ければ安いほどこちらとしては有り難いが、高くても240円でしょうね。」
あなた:「240円ですね。ありがとうございます。それでは納入本数が5000本以上で20%の割引になりますので、その場合ですと単価が240円となります。」③
お客様:「ん~、5000本かぁ。多少なり在庫を持っていた方がいいからね。」
あなた:「おっしゃる通りです。弊社の強固で緩まないネジが御社の理想とするネジであることはご理解いただけたかと思います。また、弊社の納入本数による割引により、ネジ単価240円となり、御社の求める基準価格になったかと思います。早速ですが、まず100本お届け致します。」
お客様:「そうですね。これで断る理由がなくなりました。それでお願いします。」
いかがでしたか?
理想の商談ですね。セールスマンとしてこれがバシッと決まったらどんなに気持ちいいことでしょうね。
それでは①②③のプロセスを紐解いていきましょう。
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「誤解」の克服
それではまいりましょう。
①「お客様の誤解を、疑問形にして言い直す」
なぜ直接誤解を解きに行くのではなく、①をしなければならないのでしょうか?
それは、
●「誤解」の内容をはっきりさせる為
●お客様の「誤解」をセールスが真剣に受け止めている姿勢をみせて満足させる為
です。
上記のケーススタディーの場合、「単価300円は高い」という「アウト」に対して「300円より安い方が良い」と言い直しお客様に質問しています。
それに対してお客様は「Yes」と答えることにより、
②「内容を明らかにする」
を行うことが出来ます。
さらに、言いたいことを言うことが出来たお客様は精神的に満足した状態となり、さらにこちらがお客様の言い分を受け止めたことにも満足した状態になるのです。
まさに一石二鳥のウルトラCですね!
あとは
③「明らかになった「誤解」を解く為、(証拠を提示し)答える」
真実をお客様にご理解いただけるようにプレゼンテーションしてください。
そして、この「誤解」ですが、何度も言うように「お客様の情報不足からなる不実」ですので、あなたの提示する証拠が真実であればお客様は納得せざるおえない状態になります。
まさにお客様から「えっ?そうなの?」を引き出し、一気にこちらの商品の魅力に誘うことができるチャンスでもあるのです。
最後に「誤解」での言い直しでの注意点ですが、
お客様の「誤解」を認めるような発言をしない
ということです。
上記のケーススタディーを例にとると、「単価300円は高い」という「アウト」に対して、
「ですよね。」「高いですよね」「おっしゃる通り」などと答えると、あなた自身もその商品が「高い」と認めていることになります。
それではお客様は益々その金額では買いたくないですよね。
心の中では思っていても決して言葉には出さないでください(笑)
それでは「4つのアウト」最後の砦「反論」へと進みましょう。
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