「反論」への対応
masaです。
ここでは「4つのアウト」の4つ目、最強にして最大の難関である「反論」についてご説明します。
「反論」とは、
お客様はあなたの商品が感情的に気に入らないか、あるいは、あなたの商品のデメリットや欠陥に気付いており、あなたの商品の利点だけでは納得されない状態
のことでしたよね。
この「反論」のたちが悪いところは、お客様の言っていることが「事実」であることです。
「不審」や「誤解」のように、証拠で置き換えることが出来ればまだ良いのですが、「反論」自体を覆すことはできません。
例えば、
「値引き後、割引後の値段が高い」
「狭い」
「小さい」
「大きい」
「臭い」
「デザインが気に入らない」
「好きな色がない」
「遠い」
など数多くあげることができます。
それらの多くは、「一般的な反論」ではなく、お客様の物差しで測った「自己都合による反論」がほとんどなのです。
「一般的な反論」とは
「東京から沖縄まで3分で行けない」
「水中で呼吸をしたい」
など一般的に周知されている不可能のことを指します。
そして、「自己都合による反論」とは
「個人的に気に入らない」
「目に見えて不利益(使用料などが上がる)が生じる」
などお客様の主観による不可能のことを指します。
いずれにせよ、これらの「反論」を真正面から受けて「反撃」してはいけません!
なぜなら「一般的な反論」の場合そもそも解決することが出来ません。
それに、「自己都合による反論」の場合、お客様の意見と対立してしまい、商談どころではなくなってしまうからです。
では「反論」が出たら諦めますか?
もちろん答えは「NO!」ですよね。
さぁ、前置きが長くなってしまいましたが、「反論」を克服して行きましょう!
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「反論」を抑える
冒頭でも述べましたが、「反論」への対応は、「反論」を覆すことではありません。
「反論」への対応は、
①疑問形にして、お客様の「反論」を言い直す
②お客様に受け入れられた利点を強調する
③「反論」の存在を出来るだけ小さくする
です。
今回もケーススタディーを使い「反論」への対応のプロセスを見ていきましょう。
ケーススタディー(反論への対応)
あなたは法人向けOA機器の営業マンです。
お客様は設計事務所です。
オフィスを現代風にリフォームするのに合わせて電話機、複合機、パソコンなどのOA機器の見直しを検討しています。
お客様はリフォームを機会に社内のペーパレス化も促進したいと考えています。
あなたはお客様のニーズを把握し、複合機、パソコン、タブレット端末の提案をし、お客様も大変興味を持っています。
お客様の現状は以下の通りです。
①毎日50枚を超えるFax広告が送られて困っている
②社内通達、稟議書、報告書などのハードコピーが多く、保管場所に困っている
③書類をデスクに積み上げてありオフィスの見た目が悪い
④印刷費を削減したい
お客様に受け入れられた商品の特徴と利点は以下の通りです。
①複合機とパソコンの見直しにより「Faxbox」の利用ができる。それにより、送られてきたFaxを一度パソコンで取り込み、画面でFaxの内容を確認し、必要な場合のみプリントアウトできるので無駄な印刷が減る。
②タブレット端末の導入により、社内通達、稟議書、報告書、などの書類をデーター化することが可能。それにより、社内のペーパーレス化、および、書類の書損や紛失がなくなる。
③ペーパレス化によるペーパーコスト(カウンターコスト)の削減
④「潜在的なニーズ」企業のイメージアップに繋がる。
あなたはこれらの契約を締結したいと思っています。
あなた:「まずは来週にでもタブレットを5台お持ち致します。」
お客様:「大変素晴らしい提案ですが、月々のリース料が今までより8万円も上がるのでは導入は難しいでしょうね。これが今までと同額なら即決しますよ。」
あなた:「それでは、今回ご提案は月々のリース料が8万円上がるだけのメリットはないとお考えでしょうか?」①
お客様:「そうですね。ペーパレス化を推進するにあたってはコストを下げることが目的なのに、システムの導入にあたってリース料が増えたら本末転倒ですよ。」
あなた:「Faxboxの導入により、今まで不必要だった毎日50枚ものFax広告の印刷が減り、ペーパーコスト(カウンターコスト)の削減に貢献できることはご理解いただけましたか?」②
お客様:「ええ、それには大変興味を持っていますよ。」
あなた:「ありがとうございます。さらに、タブレット機器の導入することにより、社内書類の印刷の削減だけではなく、書類の紛失といったリスクも回避できることもご理解頂けましたでしょうか?」②
お客様:「ええ、確かにそうでしたね。」
あなた:「もし紛失した書類が御社のお客様からの要望書だったりしたら、信用問題にも関わってきますよね?」②
お客様:「まさにその通りですよ。現に以前そうなりそうになったこともありましたからね。書類が出てきたから事なきを得ましたが。」
あなた:「それにせっかくリフォームされても今のままのシステムですと、また書類の保管場所に困り、デスクが書類だらけになってしまう可能性も考えられますがいかがでしょうか?」②
お客様:「ん~、そうならないようにしたいですけど。まぁ、確かにそうですね。」
あなた:「お気付きだとは思いますが、ペーパレス化はまだ大企業しか行っていないのも事実です。そのようなシステムをいち早く導入することにより顧客へのイメージアップも図れるのではないでしょうか?」②
お客様:「言われてみればそうですね。今回のリフォームでは先進性をイメージしてますからね。」
あなた:「弊社の最新のシステムの導入により、御社のペーパレス化と印刷費の削減、書類の紛失リスクの回避、および、御社のオフィスコンセプトに合った企業イメージアップに大いに貢献できると確信しています。来週になりますが、ダブレット機器を5つお持ち致します。」③
お客様:「まぁ、リース料は上がるけど、それに見合うだけのメリットはあるってことですね。わかりました。お願いします。」
いかがでしたか?
またまたスーパーセールスマンがクロージングに成功したようですね。
ではプロセスを紐解いて行きましょう。
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「反論」の克服
まず初めに上記のケーススタディーを見て今までと違うと感じていただけたでしょうか?
そうです。
現状把握や受け入れられた条件の説明がやたら長いですよね?
それだけ「反論」を抑えるのは大変だということです。
もう一度言いますが、「反論」は消すことができません。
ですから、今まで受け入れられたすべての「利点」とあなたが突き止めた「潜在的なニーズ」を駆使して対応しなければならないのです。
①疑問形にして、お客様の「反論」を言い直す
ですが、「誤解」と同じ理由です。
●「反論」の内容をはっきりさせる為
●お客様の「反論」をセールスが真剣に受け止めている姿勢をみせて満足させる為
です。
これによりお客様は
②お客様に受け入れられた利点を強調する
に耳を傾けてくれるはずです。
ここで重要なのは
その場の状況に応じて臨機応変に「強調すべき利点」を選ぶということです。
そしてその「強調すべき利点」を選んだら疑問形にして再度確認してみることが有効な手段となります。
それにより、すでに受け入れられた利点を再度お客様に思い出させ、関心を一気にこちらへと傾けることが出来るからです。
そして、
③「反論」の存在を出来るだけ小さくする
へと「自然」に導くことができます。
「なんか、すごく面倒くさい」
「そんなすぐ出来るわけないでしょ。」
そうですね。そう思われるかもしれません。
凄く気を遣うし、お客様の些細な表情や言葉の変化など常にアンテナを張っておかなければなりませんからね。
100人中100人が完璧にやりこなせるのは難しいかもしれません。
しかし、トップセールスと言われている方々はこの「反論」の対応がすごく上手です。
だからこそ他のセールスより実績を伸ばすことができるのです。
「反論」=商談決裂であることはありません。
何もしなければクロージングの成功はありません。
だったら、「反論」を消そうとせず、小さく抑えるためにどうしたら良いかを模索し実践することが重要なのです。
「反論」を克服することが出来れば、さらに飛躍すること間違いなしです。
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