「聞き上手」こそ「売れる」近道
masaです。
これまで顧客ニーズから不満の把握の重要性について説明させていただきました。
「お客様のニーズにもっと興味を持つ」そして「お客様にその真意について質問をする」と「不満」にたどり着くということです。
さて、お客様の誰もが質問をしたらなんでも話してくれるでしょうか?
正直、私の経験からしても、全員がそんな「お話し好き」のお客様ではありません。
ましてや、自分のことについてですので、「疑り深い方」、「不信感を持たれてる方」、そもそも「シャイな方」など、なかなか進んで教えてはくれませんよね。
ちなみに、質問ってどんなものがあるでしょうか?
「今日は何するの?」「明日は雨降る?」「何してるの?」「このビール飲んでいい?」
言い方や単語を変えればいくらでもでてきます。
商談においても、お客様や商品によって、質問は様々です。
質問の数だけ見れば、それこそ気の遠くなるような数だけ存在します。
しかし、「質問の方法」として見れば、実は質問はたった「2種類」しかないのです。
それは、「拡大質問」と「限定質問」と呼ばれています。
ニーズの把握の手法として用いられる基本中の基本ですよね。
「そんなのもうとっくに知ってるよ。」という方は、「②お客様への共感・同意」にお進みください。
もしお時間あるなら、復習を兼ねてご覧ください。
関連:お客様への共感・同意
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「拡大質問」
「拡大質問」(open question)とは「答えの間口を広げることで、お客様が自由に話してくれるように誘導する質問の手法」です。
「何をお探しですか?」「どのようなタイプのお部屋をご希望ですか?」といった質問です。
つまり、「はい」や「いいえ」、「単語」だけではなく、「より詳しい文章」で答えてもらう手法と言えます。
主に最初の質問として要いて「お客様がどんな人か」を見極める手段として有効です。
お客様が自分のニーズについて「良く話してくれそう」だったら拡大質問を続けます。
店員さん「何をお探しですかぁ?」(拡大)
お客様「ジャケットをさがしてるんですよ。」
店員さん「ありがとうございます。どのようなジャケットをお探しですか?」(拡大)
お客様「3日後に社員研修があるんですけど、その時に着ていけるフォーマルなジャケットがあったらいいなと思ってるんですけど、その時だけではもったいないので、プライベートでも着られるようなジャケットがあれば言うことないですね。」
店員さん「わかります!そうですよね。そういうのが1着あったら便利ですよね。ちなみに具体的なイメージはございますか?」(拡大)
お客様「ブルー系の色で、且つ、少し遊びの入っているジャケットがいいなぁって思ってます。」
店員さん「ブルー系でワンポイント遊びのあるものですね。カッコいいですよね。ちなみに、どうしてブルーなのですか?」(拡大)
お客様「愛読している雑誌に載っててかっこいいなぁって思ったんです。自分もこんな格好してみたいって。」
いかがですか?
お客様が自分から話してくれる方であれば、「拡大質問」のみで「ニーズの把握」が可能となります。
また、拡大質問を使うタイミングとして適しているのは、
「いろいろと問題があるんですよぉ・・・・・。」「いろいろと検討してまして・・・・・。」
という反応が出た時にも「拡大質問」は有効な手法です。
「とおっしゃいますと?」や「ちなみに、ほかにどのようなことが気になってますか?」
など「拡大質問」を行うことでもっと「不満の把握」に近づくことが出来ると言っても過言ではありません。
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「限定質問」
「限定質問」(closed question)とは「お客様の返事を限定する質問の手法」です。
また、私たち営業マンが選んだ「特定の話題」に会話を導く為に、お客様の答えを限定する質問です。
「コンパクトカーをお探しですか?」「これは便利だと思いますか?」といった質問です。
つまり、「はい」や「いいえ」、もしくは、「単語」のみで答えてもらう手法です。
主に「拡大質問」をしても、「お客様が率先して答えてくれないとき」
また、「答えを限定し、会話の流れを思う方向に導きたい」時に使用します。
店員さん「何をお探しですかぁ?」(拡大)
お客様「あっ、まぁ、ジャケットを」
店員さん「ありがとうございます。お仕事用ですか?」(限定)
お客様「まぁ、仕事でも着ます。」
店員さん「お仕事で着られるジャケットですね。ちなみに、お仕事で「も」と言うことは、プライベートでも着られるものをお探しですか?」(限定)
お客様「あっ、そうですね。出来ればそうしたいです。」
店員さん「ありがとうございます。では、1着で仕事もプライベートもこなせるジャケットをお探しなんですね?」(限定)
お客様「あっ、はい。」
店員さん「かしこまりました。ジャケットの色なんですが、何色がお好みですか?」(限定)
お客様「まぁ、ブルー系がいいなぁって思ってます。」
店員さん「ブルー系ですか?いい色ですよね。ベストな提案をさせていただく為、どのようなイメージのものがいいか教えていただけますか?」(拡大)
お客様「あっ、はい。実は3日後に社員研修がありまして、そのときに着れるジャケットを探しています。」
「限定質問」の使用事例いかがでしたか?
正直、こんなお客様いらっしゃいますよね。
「拡大質問」から始まり、反応が薄いと感じると「限定質問」を要いて特定の話題、つまり答えを限定して誘導しています。
「限定質問」を繰り返すことによって「不信感」や「緊張感」がほぐれていきます。
「ベストな提案をさせていただく為」というキーワードを伝え、再度「拡大質問」を行い、本質を話して頂くことに成功しました。
つまり、「限定質問」を使い、最終的に会話の流れを自分の思う方向に導くことが出来たのです。
まとめ
今回は「拡大質問」と「限定質問」について説明させていただきました。
ご理解いただけたでしょうか?
「拡大質問」は商談の開始にあたって適している質問の手法です。「拡大質問」することによってお客様の反応を見極めることが出来ます。
「限定質問」は口が重いお客様に有効な手法と言えます。
そして、「限定質問」を繰り返すことによって会話が生まれ、結果的に「不信感」や「緊張感」を払拭し、「拡大質問」にも答えてくれるようになってくれるはずです。
「拡大質問」をしてうまくいかない時は、「限定質問」を使ってください。
最初は意識して使うようにしてください。
最初は巧くいかないかもしれませんが、何事も意識することが重要です。
意識して使うことで、本当に自分のものになります。
そうなると、戦略的な誘導が可能となります。※
(※これは質問の手法の応用になりますので、ここでは割愛いたします。)
とにかく、この手法はこれから商談を進めるにあたり、必要なテクニックとなります。ぜひ、マスターしたい手法です。
この方法で、「ニーズの把握」をし、「不満」を探り、「不満の質」を導き出し、商談の主導権を取り、商談を優位に進めましょう!
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